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クリニック・診療所の開業方法とは?手順や資金調達・失敗しないポイント

病院やクリニックを始めたいけど、どんな準備が必要なのか、資金はどうやって集めるのか、失敗しないコツが分からず悩んでいませんか?

この記事では、開業に向けてよくある疑問や不安を整理し、資金調達の方法や必要な手続き、スケジュールの立て方まで、分かりやすく紹介します。また、ありがちな失敗例や成功のポイントもまとめているので、リスクを減らしてスムーズに開業準備を進めたい方にも役立つ内容です。

この記事を読めば、クリニック開業に必要な情報を効率よく確認でき、理想の医療機関を実現するためのヒントがつかめます。ぜひ参考にしてください。

目次

病院とクリニックの違い|開業前に知っておくべき基礎知識

医療機関の開業を考える際、まず理解しておきたいのが「病院」と「クリニック(診療所)」の違いです。この区別は単なる名称の違いではなく、医療法で明確に定義されており、開業の難易度や必要資金、運営体制が大きく異なります。

病院と診療所(クリニック)の法的な定義

医療法では、病床数によって医療機関を以下のように分類しています。

  • 病院:病床20床以上を有する医療施設
  • 診療所(クリニック):病床を持たない、または病床19床以下の医療施設

この違いは、施設基準や人員配置、必要な許認可にも影響します。病院を開設する場合は、医療法で定められた構造設備基準を満たす必要があり、一般的に数億円から十数億円規模の投資が必要となります。

一方、診療所の開業は比較的少額の資金で始められ、個人の医師が開業する場合のほとんどがこの形態を選択します。本記事では、主に個人開業が可能な「診療所・クリニック」の開業について解説していきます。

個人開業に適した診療所の種類

診療所はさらに以下の2つに分類されます。

  • 無床診療所:入院設備を持たない診療所(最も一般的な開業形態)
  • 有床診療所:19床以下の入院設備を持つ診療所

近年の開業では、初期投資や運営コストを抑えられる無床診療所を選択する医師が大多数を占めています。日本医師会の調査によれば、新規開業の約90%以上が無床診療所となっています。有床診療所は、産科や整形外科など特定の診療科で選択されるケースがありますが、看護師などのスタッフ配置基準や施設要件が厳しく、運営難易度は高くなります。

クリニック・病院開業の基本ステップと全体の流れ

病院やクリニックを新たに始めたいと考える方にとって、開業の流れや必要な準備を把握することはとても重要です。

ここでは、開業を成功へ導くための計画立案から物件選定、許認可手続きまで、基本的な進め方を丁寧に解説していきます。各ステップのポイントを押さえ、理想の医療現場を実現するための第一歩を踏み出しましょう。

開業の計画立案とコンセプト設計

病院やクリニックを開業する際、最初に取り組むべきは明確な事業計画とコンセプトの設計です。どんな診療科目で、どのような患者層に、どんな価値を提供するのかを具体的に言語化することが、開業後のブレない運営の軸となります。地域の医療ニーズや競合状況、自身の専門性や経験をもとに、オリジナリティのある方針を決めることが大切です。

例えば「地域密着型の内科クリニック」や「働く世代をターゲットにした皮膚科」など、医院の方向性や目指す姿を明確にしましょう。厚生労働省の「医療施設動態調査」によれば、診療圏内の人口構成や既存医療機関の診療科目を事前に調査することで、開業後の安定した患者獲得につながるとされています。

また、診療方針やサービス内容を決めるうえで、患者視点を忘れず、安心・信頼される医療機関づくりを意識することが大切です。開業後の集患や経営の安定にも直結するため、事業計画書の作成もこの段階から着手しておくとよいでしょう。

開業スケジュールの立て方

病院の開業準備は多岐にわたるため、全体のスケジュールを逆算して計画的に進めることが欠かせません。一般的に、開業準備には12〜18ヶ月程度の期間が必要とされています。

まずは開業希望日を決め、そこから逆算して「物件探し」「資金調達」「内装工事」「スタッフ採用」「各種届出」などの主要なタスクをリストアップします。それぞれのタスクに必要な期間や重なり具合を把握し、余裕を持った日程を組みます。

例えば物件選定や内装工事は想定より時間がかかることも多く、また許認可申請には審査期間が必要です。保健所への開設届は開業の10日前まで、保険医療機関指定申請は開業の前月までに提出する必要があるなど、法定期限も存在します。

スタッフの採用や研修も、開業当日に万全の体制を整えるためには早めの準備が重要となります。スケジュールには必ず「余裕期間」を設け、突発的なトラブルへの対応力も意識しましょう。適切なガントチャートや進捗管理の仕組みを活用すると、開業準備がスムーズに進みます。

物件選定と立地条件のポイント

医院やクリニックの成否を大きく左右するのが物件選定と立地条件です。開業する診療科やターゲットとする患者層によって、最適な立地や物件の条件は異なります。

まずは診療圏調査を行い、地域の人口動態や競合施設の有無、交通アクセスや周辺環境を詳細に分析しましょう。一般的に、内科や小児科などのプライマリケア診療科では半径500m〜1km圏内、専門性の高い診療科では半径2〜3km圏内が主な診療圏となります。

駅からの距離やバス路線、駐車場の有無、バリアフリー対応など、患者さんが通いやすいかどうかも重要な要素です。また、物件自体の広さや間取り、給排水や電源容量といった技術的な条件も確認が必要です。医療機器の導入を考えている場合、電気容量や床の耐荷重も事前にチェックしておきましょう。

賃貸の場合は契約内容や保証金、フリーレントの有無なども比較検討しましょう。自院のコンセプトに合った立地を選択することで、開業後の集患や経営の安定につながります。現地調査を複数回行い、実際の人通りや周辺施設の状況も必ずチェックしてください。

必要な許認可・手続きの流れ

病院やクリニックを開業するには、医療法や各種法令に基づく許認可・届出手続きを正しく行う必要があります。

主な手続きとしては、管轄保健所への「診療所開設届」、厚生局への「保険医療機関指定申請」、医師会への入会申請、消防署への「防火対象物使用開始届」などが挙げられます。各書類には提出期限や審査期間が設定されているため、スケジュールに余裕を持って準備しましょう。

特に保険医療機関指定申請は、申請から指定まで通常1ヶ月程度かかるため、開業予定日の少なくとも2ヶ月前には準備を開始する必要があります。また、個人事業主として開業する場合は税務署への開業届、社会保険や雇用保険の手続きも忘れずに行うことが大切です。

許認可手続きは自治体ごとに細かな規定や必要書類が異なる場合があるため、事前に必ず管轄機関で確認し、不備のないように進めてください。行政書士やコンサルタントなど専門家の力を借りることも、スムーズな開業のための有効な選択肢です。

クリニック・病院開業に必要な資金と資金調達方法

クリニックや病院の開業を目指す際には、初期費用や運転資金といった多額の資金が必要となります。どのような費用がかかり、どのように資金を調達すればよいのかを理解することで、安心して開業準備を進めることができます。

ここからは、資金の内訳や調達方法について詳しく解説します。

開業資金の内訳と目安

クリニック・病院の開業時に必要となる資金は、主に「設備資金」と「運転資金」に分かれます。

設備資金には、物件取得や内装工事、医療機器・備品の購入費が含まれます。日本政策金融公庫の「新規開業実態調査」によれば、医療業の平均開業資金は約7,000万円とされていますが、診療科目により大きく異なります。

診療科別の開業資金の目安(無床診療所の場合)

  • 内科・小児科:5,000万円〜7,000万円
  • 皮膚科・耳鼻咽喉科:6,000万円〜8,000万円
  • 整形外科:8,000万円〜1億円(X線装置やリハビリ設備が必要)
  • 眼科:8,000万円〜1億2,000万円(高額な検査機器が必要)

設備資金の内訳としては、テナント開業の場合、物件取得費や内装費で全体の約30〜40%、医療機器や備品類で20〜30%、その他広告宣伝費や諸経費で10〜20%ほどを占めます。

運転資金は、開業後の人件費や家賃、広告宣伝費、医薬品・消耗品の仕入れ、光熱費などが該当します。診療報酬は診療から入金まで通常2〜3ヶ月のタイムラグが生じるため、最低でも3〜6ヶ月分の運転資金を確保しておくことが重要です。一般的には1,000万円〜1,500万円程度の運転資金を見込んでおくと安心です。

資金調達の主な方法

開業資金を準備する際には、自己資金だけでなく多様な資金調達手段を組み合わせることが現実的です。主な調達方法としては、日本政策金融公庫や医師信用組合、民間金融機関からの融資、地方自治体の制度融資、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の貸付制度などが挙げられます。

主な資金調達先と特徴

  • 日本政策金融公庫:新規開業者向けの融資制度が充実。金利が比較的低く、開業実績がなくても借りやすい
  • 医師信用組合:医師向けの優遇金利あり。開業支援サービスも提供
  • 民間金融機関:融資額が大きい場合に有効。担保や保証人が必要な場合が多い
  • 福祉医療機構(WAM):医療施設の開設・増改築に特化した融資制度

融資は金利や返済期間、審査基準がそれぞれ異なるため、複数の選択肢を比較して最適な方法を選ぶことが大切です。また、設備投資やIT化推進に活用できる補助金や助成金もチェックしておきましょう。

資金調達の際は、信頼性の高い事業計画書や収支予測を準備することで、審査通過の可能性が高まります。自己資金とのバランスや返済計画をしっかり立て、開業後の経営安定につなげることがポイントです。

金融機関からの融資ポイント

金融機関から開業資金の融資を受けるには、事業計画の明確さや将来の収支予測、自己資金の比率などが審査の重要なポイントとなります。特に事業計画書は、開業のコンセプトやターゲット層、収益見通し、経費の内訳、集患計画などを具体的に記載し、現実的かつ根拠のある数字で示すことが必要です。

一般的に、自己資金が総開業資金の20〜30%以上あると、金融機関からの信頼度が上がり、融資条件も有利になる傾向があります。また、過去の勤務実績や資格、信用情報なども加味されるため、誠実な姿勢で対応しましょう。

融資審査で重視されるポイント

  • 自己資金の割合(20〜30%以上が理想)
  • 事業計画書の具体性と実現可能性
  • 診療圏調査に基づいた収支予測
  • 医師としての経験年数と専門性
  • 返済計画の妥当性

必要に応じて開業コンサルタントや税理士のアドバイスを受けると、より説得力のある計画書が作成できます。融資面談では、事業への熱意や将来ビジョンも伝えることで、担当者の信頼を得やすくなります。

自己資金と外部資金のバランス

開業時に準備する資金は、自己資金と外部からの借入金のバランスが重要です。自己資金が多いほど返済の負担は軽く、経営に余裕を持ちやすくなりますが、手元資金を減らしすぎると予期せぬ出費や運転資金不足に対応できなくなるリスクもあります。

一方、外部資金を多く活用すれば、資金繰りの柔軟性が高まりますが、毎月の返済負担や金利負担が経営を圧迫することもあります。目安としては、自己資金が全体の20〜30%以上あると理想的とされますが、開業規模や将来の資金需要によって最適な割合は異なります。

標準的な資金構成の例(開業資金7,000万円の場合)

  • 自己資金:1,500万円〜2,000万円(約20〜30%)
  • 金融機関からの借入:5,000万円〜5,500万円(約70〜80%)

無理のない範囲でバランスよく資金を調達し、開業後も安定した経営ができるように計画を立てましょう。資金調達の際は、将来の設備投資や運転資金も見据えた長期的な視点を持つことが大切です。

クリニック・病院の開業で失敗しやすいポイントとその回避策

クリニックや病院の開業は多くの医師にとって大きなチャレンジとなります。資金計画や立地選び、スタッフ採用など、準備段階での判断ミスは経営に大きな影響を及ぼします。

ここでは実際に起こりやすい失敗例やリスク、その回避方法について整理し、安心して開業までの道のりを進めるためのヒントをご紹介します。続く各見出しで具体的な事例や成功へつなげる対策を詳しく解説していきます。

よくある失敗例

病院・クリニック開業時に多い失敗例としては、資金計画の甘さ、立地条件の見誤り、スタッフの確保と教育不足、集患対策の不十分さなどが挙げられます。

資金計画の失敗では、初期費用や運転資金の見積もりが甘いことで思わぬ資金ショートに陥ることがしばしば見受けられます。特に、医療機器の追加購入や内装工事の変更、想定以上の広告費など、予定外の支出が重なるケースが多く報告されています。開業後3ヶ月以内に運転資金が不足するケースは少なくありません。

立地選定の失敗としては、競合施設の調査が不十分なまま立地を決定してしまい、期待していた来院数に届かず経営難に陥るケースも少なくありません。特に、診療圏内の人口構成や年齢層、昼間人口と夜間人口の違いを把握せずに開業すると、ターゲット患者層とのミスマッチが生じます。

スタッフ採用・教育の失敗では、開業準備に追われてスタッフの採用・教育がおろそかになると、オープン後にサービスレベルの低下や離職問題につながり、院内の雰囲気や患者の満足度にも悪影響が及びます。医療事務や看護師の早期離職は、残ったスタッフの負担増加や患者対応の質の低下を招きます。

集患対策の失敗では、広告宣伝やホームページなど集患のための施策を十分に行わなかったため、開業しても認知が広がらず患者数が伸び悩むことも多いです。開業後3ヶ月以内に地域での認知度を高められないと、その後の患者獲得に苦労する傾向があります。

これらの失敗例には共通して「事前準備の不足」「現実的なシミュレーションの欠如」という背景があり、開業計画を立てる段階で徹底した情報収集とリスク分析を行うことが不可欠です。

患者獲得のための差別化戦略

多くの病院やクリニックが存在するなかで、患者から選ばれるためには独自性を打ち出す差別化戦略が不可欠です。

まず、診療科目や専門領域を明確にし、それが地域のニーズに合致しているかを調査します。たとえば、特定の疾患やライフステージに特化した診療、女性や高齢者など特定層向けのサービス、最新の医療機器やIT技術を活用した診療体制などが差別化の一例です。

効果的な差別化の具体例

  • 診療時間の工夫:平日夜間や土日診療で働く世代に対応
  • 専門性の明確化:「糖尿病専門外来」「小児アレルギー外来」など特化した診療
  • 利便性の向上:Web予約システム、オンライン診療、キャッシュレス決済の導入
  • 院内環境:キッズスペース、バリアフリー設計、プライバシーに配慮した診察室
  • 地域連携:訪問診療、健康教室、地域イベントへの参加

また、地域密着型のサービスも有効で、在宅医療や予防医療、健康相談会などを定期的に開催することで、地域住民からの信頼獲得につながります。加えて、患者の利便性や快適性を重視した院内設計も他院との差を生みます。

独自の強みを明確にし、それを的確に情報発信することで、患者から「ここに通いたい」と思ってもらえる医院を目指すことが重要です。

スタッフ採用・教育の注意点

病院やクリニックの運営で大きなウエイトを占めるのがスタッフの採用と教育です。採用基準を明確に定め、必要なスキルや適性を見極めて人材を選ぶことが大切です。特に医療現場では、専門性だけでなくコミュニケーション力やチームワーク、患者へのホスピタリティが求められます。

採用で重視すべきポイント

  • 医療事務スタッフ:レセプト業務の経験、患者対応力、PCスキル
  • 看護師:診療科に応じた臨床経験、コミュニケーション能力
  • 受付スタッフ:接遇マナー、電話対応力、柔軟な対応力

採用後は、業務マニュアルや研修プログラムの作成、OJTの実施など、段階的な教育体制を整えることが不可欠です。開業前に最低でも2週間〜1ヶ月程度の研修期間を設け、院内ルールや電子カルテの操作、患者対応のロールプレイングなどを実施しましょう。

また、働きやすい職場環境づくりも離職防止やスタッフの定着率向上に直結します。スタッフ同士が意見を言いやすい雰囲気や、努力がきちんと評価される制度を設けることで、院内全体のモチベーションが高まります。

一般的に、医療業界の離職率は他業種と比べて高い傾向にあるため、定期的な面談や労働環境の見直しを行い、長く働ける環境を整えることが重要です。スタッフが安心して長く働ける環境を整えることは、結果として患者サービスの質向上や病院経営の安定にもつながります。

開業後の経営安定化のコツ

開業直後は患者数や収益が安定しない傾向が強く、ここでつまずくと軌道に乗るまでに長い時間がかかってしまいます。一般的に、クリニックが安定した経営状態に達するまでには6ヶ月〜1年程度かかるとされています。

経営の安定化を図るためには、定期的な情報発信や広報活動を継続し、医院の存在や特徴を地域に根付かせることが欠かせません。たとえば、ホームページやSNSの更新、地域のフリーペーパーやイベントでの告知などを活用し、認知度アップを図ります。

経営安定化のための具体策

  • 定期的な情報発信:ホームページのブログ更新、SNSでの健康情報発信
  • 地域連携の強化:近隣医療機関や薬局との連携、紹介患者の受け入れ
  • 患者満足度の向上:アンケート実施、待ち時間の短縮、丁寧な説明
  • リピート率の向上:定期検診の案内、予約システムの活用
  • 経営指標の管理:月次の患者数・診療単価・収支の確認と分析

また、地域の医療機関や介護施設、薬局などと積極的に連携し、紹介患者の受け入れや医療ネットワークの構築を進めることも重要です。患者からの声やスタッフの意見を反映しながらサービスの質を高め、リピート率や口コミを増やしていくことが持続的な経営安定に直結します。

状況に応じて経営指標をチェックし、必要な改善策を速やかに講じる姿勢も大切です。月次で患者数、診療単価、経費の推移を確認し、計画とのズレがあれば早期に対策を打つことで、安定した経営を実現できます。

クリニック・病院開業を成功に導くための重要なポイント

病院やクリニックを長く愛される存在にするためには、成功している施設の共通点や、外部専門家の活用など多角的な視点が不可欠です。これから紹介するポイントを参考に、信頼される医療機関づくりへと一歩踏み出してください。

ここでは、経営安定や集患の具体的な方法、専門家活用のメリットなどを詳しく解説します。

成功する病院・クリニックの共通点

多くの病院やクリニックが競争を勝ち抜き、地域で支持を得ているのにはいくつか共通する特徴があります。まず、地域住民の健康課題に寄り添う診療方針や、患者一人ひとりに丁寧に向き合うコミュニケーション力が挙げられます。

成功しているクリニックの特徴

  • 明確なコンセプト:診療方針や得意分野が明確で、患者に分かりやすく伝わっている
  • 患者満足度の重視:待ち時間への配慮、丁寧な説明、清潔な院内環境
  • スタッフ教育の徹底:接遇研修、医療技術の向上、チームワークの醸成
  • 継続的な改善:患者アンケートの実施、定期的な院内ミーティング
  • 地域との連携:他医療機関との連携、地域イベントへの参加

診療内容だけでなく、受付から会計までの流れや待合室の環境、スタッフの応対など、細やかな心配りが患者満足度を高めるポイントです。また、スタッフ同士が連携しやすい組織体制や、院内の意見交換・改善提案が活発に行われる風土も経営安定には不可欠です。

さらに、患者の声や地域の要望を積極的に取り入れてサービスを進化させる柔軟性も大切です。定期的な勉強会や最新医療情報の共有など、職員のスキルアップにも力を入れている施設が多い傾向にあります。

経営指標や患者満足度の分析を行い、PDCAサイクルを回し続ける姿勢が、結果として長期的な成長につながります。

専門家・コンサルタント活用のメリット

開業準備や運営に関して不安がある場合、医療経営の専門家やコンサルタントを活用するのは非常に有効です。専門家は診療圏調査や事業計画書の作成、資金調達、物件選定、行政手続き、集患戦略まで多岐にわたりサポートします。

コンサルタント活用のメリット

  • 時間の節約:開業準備の効率化、スケジュール管理の最適化
  • リスク回避:経験に基づいた失敗パターンの共有、トラブル対応
  • 最新情報の提供:法規制、補助金制度、業界トレンドの把握
  • 客観的視点:第三者視点での課題発見、改善提案
  • ネットワーク活用:金融機関、医療機器メーカー、不動産業者との橋渡し

経験豊富なコンサルタントがいることで、開業までのスケジュール管理やトラブル対応もよりスムーズになります。また、最新の法規制や補助金情報、業界トレンドなどもタイムリーに入手できるため、常に最適な判断がしやすくなります。

第三者の視点が加わることで、経営者自身が気づきにくいリスクや課題の発見にもつながります。効率良く、かつ安心して開業準備を進めたい人にとって、専門家の活用は大きなメリットです。

コンサルタント費用は一般的に開業資金の3〜5%程度とされていますが、その分だけ得られる安心感や成功確率の向上は十分に価値があるといえるでしょう。

開業後の集患・地域連携の方法

開業後に安定した経営を続けるためには、継続的な集患活動と地域連携が不可欠です。まずは、地域住民に医院の存在や特徴を知ってもらうための広報活動を行いましょう。

効果的な集患施策

  • オンライン施策
    • ホームページの充実(診療内容、医師プロフィール、アクセス情報)
    • SEO対策による検索性向上(「地域名+診療科」での上位表示)
    • Googleビジネスプロフィールの最適化
    • SNS活用(健康情報、休診案内、院内の雰囲気の発信)
  • オフライン施策
    • 地域イベントへの参加、健康相談会の開催
    • 内覧会の実施(開業前後)
    • 地域情報誌への広告掲載
    • 近隣へのあいさつ回り

地域連携の構築

  • 近隣の医療機関や薬局との紹介・逆紹介の関係づくり
  • 介護事業所との連携(訪問診療、健康管理)
  • 地域医師会への積極的な参加
  • 病診連携(専門的な検査や入院が必要な場合の連携)

また、近隣の医療機関や薬局、介護事業所とのネットワークを構築し、相互に患者を紹介しやすい体制を作ることで地域医療の一翼を担えます。定期的な情報交換や合同勉強会を実施することで、地域全体の医療水準向上にも貢献できます。

さらに、患者や地域からのフィードバックを積極的に受け入れ、サービス改善に活かすことも大切です。これらの取り組みを継続し、地域とともに成長する姿勢が、長期的な経営安定と信頼獲得へつながります。

クリニック開業に関するよくある質問

最後にクリニック開業に関するよくある質問を紹介します。

Q1. クリニック開業に必要な資金はどのくらいですか?

診療科目や開業形態により異なりますが、無床診療所の場合、一般内科で5,000万円〜7,000万円、医療機器が必要な整形外科や眼科では8,000万円〜1億2,000万円程度が目安です。このうち設備資金が全体の70〜80%、運転資金が20〜30%程度を占めます。開業後の診療報酬入金までのタイムラグを考慮し、最低でも3〜6ヶ月分の運転資金を確保しておくことが重要です。

Q2. 開業準備はどのくらいの期間が必要ですか?

一般的には12〜18ヶ月程度の準備期間を確保することをお勧めします。物件選定に2〜4ヶ月、内装工事に2〜3ヶ月、許認可申請に1〜2ヶ月、スタッフ採用・研修に2〜3ヶ月程度が標準的です。ただし、診療科目や開業規模、物件の状況によって期間は前後するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

Q3. 自己資金はどのくらい必要ですか?

総開業資金の20〜30%程度の自己資金があると、金融機関からの融資も受けやすくなります。例えば開業資金が7,000万円の場合、1,500万円〜2,000万円程度の自己資金が理想的です。自己資金が多いほど借入金の返済負担が軽くなり、経営に余裕が生まれますが、運転資金として手元に残す資金も考慮する必要があります。

Q4. 開業場所はどのように選べばよいですか?

診療圏調査を実施し、地域の人口構成、年齢層、競合施設の状況を分析することが重要です。一般的なプライマリケア診療科では半径500m〜1km圏内、専門性の高い診療科では半径2〜3km圏内が主な診療圏となります。駅からの距離、駐車場の有無、バス路線などのアクセス面、周辺の商業施設や住宅地の状況も確認しましょう。複数回の現地調査で、実際の人通りや雰囲気を確認することをお勧めします。

Q5. 開業後、どのくらいで経営が安定しますか?

一般的に、クリニックが安定した経営状態に達するまでには6ヶ月〜1年程度かかるとされています。開業直後は認知度が低く患者数も少ないため、継続的な広報活動と地域連携が不可欠です。月次で患者数や診療単価、経費の推移を確認し、計画とのズレがあれば早期に改善策を講じることで、より早い安定化が期待できます。

Q6. 失敗しないために最も重要なことは何ですか?

事前の徹底した情報収集と現実的な事業計画の策定が最も重要です。特に、資金計画の甘さや立地選定のミス、集患対策の不足が開業失敗の主な原因となります。診療圏調査、競合分析、収支シミュレーションを丁寧に行い、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、リスクを大幅に減らすことができます。

まとめ|クリニック・病院開業は正しい準備と情報収集が成功の鍵

病院やクリニックの開業は、医療人としての新たな挑戦であり、大きな責任を伴います。理想とする医療現場を実現するためには、十分な情報収集と計画的な準備を怠らず、資金・物件・スタッフ・集患など各分野でバランスよく対策を進めることが不可欠です。

本記事では、開業の基本ステップから資金調達の方法、失敗しやすいポイントと回避策、成功のための重要なポイントまでを詳しく解説してきました。開業準備には12〜18ヶ月程度の期間が必要であり、診療科目により5,000万円〜1億円以上の資金が必要となります。自己資金は総額の20〜30%程度を目安とし、残りは日本政策金融公庫や医師信用組合などからの融資を活用することが一般的です。

また、立地選定では診療圏調査を徹底し、地域のニーズと自院の強みをマッチさせることが重要です。開業後は継続的な集患活動と地域連携を行い、患者満足度を高めながら経営の安定化を図ります。

現実的な課題に真正面から向き合い、一歩ずつ着実に準備を重ねていけば、開業後も安定した経営と患者さんからの信頼を得ることができます。専門家のサポートや地域との連携も積極的に取り入れ、未来に向けて確かな一歩を踏み出しましょう。

ニューハンプシャーMCでは、医療に特化した開業・継承・集患コンサルティングサービスを提供しております。 開業や継承、集患に悩んでいる方は、ニューハンプシャーMCにご相談ください。
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この記事を書いた専門家(アドバイザー)

著者情報 廣野和也

株式会社ニューハンプシャーMC 
主任コンサルタント 廣野和也

大学卒業後、複数の職務を経験し、株式会社ニューハンプシャーMCに入職。
これまで、数十件のクリニック開業を支援し、経営難による閉院ゼロという成果を築く。

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