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クリニック開業コンサルティングとは?依頼できる内容やメリットを解説

コラム

2025.04.17

「開業資金はいくら必要か」「診療圏に患者は集まるのか」「行政手続きや融資交渉で診療コンセプトが固まらない」
そんな悩みを抱える医師にとってクリニック開業コンサルティングは頼れる伴走者です。
しかし、クリニック開業コンサルティングからどんなサポートを受けられるのか?どう選べばいいのか?わからない方もいらっしゃると思います。
そういった方のために今回の記事では、クリニック開業コンサルティングのサービス内容、費用相場、選び方のポイントを解説していきます。
クリニックの開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

クリニック開業コンサルティングとは?基本概念と役割

クリニック開業コンサルティングは、物件探しから事業計画、行政手続き、内装工事、IT導入、スタッフ採用・教育、広告宣伝までを一括で支援する専門サービスです。
医療機器メーカーや税理士が部分的に行うケースもありますが、トータル支援型は経営戦略と実務をワンストップで設計できるのが特徴です。

  • 企画フェーズ(0〜3か月): 診療方針・ターゲット患者・資金計画の確定
  • 準備フェーズ(4〜9か月): 物件契約・融資申請・内装設計・機器選定
  • 開業フェーズ(10〜12か月): スタッフ研修・広告開始・プレオープン実施

各フェーズで成果物(診療圏調査レポート、事業計画書、内装図面、求人票など)を受け取れるため、手順の抜け漏れを防ぎつつ進捗を可視化できます。

なぜコンサルに依頼すべきか―失敗リスクを抑える3つの理由

開業経験のない医師が独力で準備を進めると、見えない落とし穴が多いのが実情です。
ここでは代表的な3つのリスク低減効果を紹介します。

① 経営ノウハウ不足を専門家が補完してくれる

診療圏調査の統計解析や競合クリニックとの差別化戦略など、経営視点の意思決定を専門家がサポートします。これにより集患力と収益性を同時に高めることができます。

② 資金調達・融資交渉を有利に進められる

銀行や日本政策金融公庫との折衝経験が豊富なコンサルが事業計画書をブラッシュアップし、借入条件や補助金活用を最適化。自己負担を抑えつつ開業できます。

③ 開業後フォローで早期黒字化を実現できる

開院後6か月〜1年の立ち上がり期間に患者動線の見直しや広告費の配分調整を実施し、キャッシュフローを安定化。黒字化までのタイムラインを短縮します。

コンサルに依頼できる具体的な支援メニュー

トータル支援型コンサルでは主に以下のようなメニューを組み合わせて提供します。 こちらはあくまで一例になり、依頼する会社により内容は異なります。
必要に応じてスポットでの依頼も可能です。

診療圏調査と物件選定

国勢調査やレセプトデータを用いた需要予測を実施し、想定患者数・競合状況・人口動態を数値化。最適なテナントや医療モールを提案します。

資金調達・事業計画書の作成

初期投資額とランニングコストを精査し、融資審査に通りやすいキャッシュフローモデルを作成。補助金・助成金の申請書類も整備します。

内装・医療機器・ITインフラ導入サポート

動線効率と患者満足度を両立させるレイアウトを設計し、電子カルテやオンライン診療システムの導入交渉まで一括管理。機器選定の価格交渉でコストを抑えます。

スタッフ採用・教育と集患マーケティング

求人媒体選定から面接同席、接遇研修まで担当。Webサイト・SNS・ポスティングなど地域特性に合わせたマーケティングプランで新患獲得を加速させます。

費用相場と契約形態―料金を正しく理解する

コンサル費用は支援範囲と契約形態で大きく変わります。平均的な相場を把握し、見積り根拠を確認しましょう。

フルサポート型とスポット型の違い

フルサポート型は開業準備〜フォローまでを一括支援するため約100万〜300万円が目安となります。スポット型は診療圏調査や融資支援など単体で約10万〜40万円程度で依頼できます。

成功報酬型のメリット・デメリット

月次利益や患者数の目標達成に応じて報酬が発生する形態は初期費用を抑えられる反面、契約期間が長く総額が割高になるケースもあるため注意が必要です。

契約形態費用目安主な支援範囲
フルサポート100〜300万円企画〜開業後フォロー
スポット10〜40万円/項目診療圏調査・融資支援など
成功報酬利益の5〜10%
または患者数×単価
集患・経営改善

費用交渉では、成果指標(患者数・売上)と支援範囲(開業後サポートの有無)を必ず書面で明文化してください。追加費用が発生する条件を曖昧にしたまま契約すると、予算オーバーの原因になります。

コンサル会社の選び方5つのチェックポイント

複数社を比較する際は以下の視点で総合評価するとミスマッチを防げます。 それぞれのポイントを順番に解説していきます。

実績・専門領域

開業支援件数や診療科特化の有無を確認し、自院の方針に近い事例を持つ会社を選びましょう。

担当者との相性とコミュニケーション力

定例ミーティングの頻度やレスポンスの速さは開業準備のストレスを左右します。初回面談では返答スピードや提案の具体性をチェックしてください。

長期的フォロー体制

開院後の集患や増患支援、継承・M&Aなど将来フェーズまで相談できるかを確認すると安心です。

料金の透明性

見積書の内訳と追加費用の発生条件を明示しているか確認しましょう。不明点は必ず書面で残すことをおすすめします。

第三者評価・口コミ

医師会や同業者の評判、オンラインレビューを参考に信頼性を判断します。担当者の指名替えが可能かも要チェックです。

契約までの5ステップチェックリスト

  1. 公式サイトと会社案内で支援領域を確認
  2. 無料相談で診療科・開業時期を提示し提案書を受領
  3. 見積書の内訳と追加費用条件を質問
  4. 既存クライアントを紹介してもらい評判をヒアリング
  5. NDAと契約書を精査し、成果指標を明文化して契約

この5ステップを踏むことで、情報不足による契約後のトラブルを防ぎ、最適なパートナーを選定できます。

コンサル導入での成果例

実際にコンサルを活用したクリニック開業の成果例を紹介します。

① 初期投資の圧縮

補助金・助成金活用と機器共同購入により、内装・機器費用を15%削減した郊外小児科のケースが報告されています。

② 早期黒字化

事業計画精度を高め1日外来患者40人を達成した都市型内科では、開院6か月で黒字転換し年間売上6,400万円を達成しました。

よくある質問(FAQ)

最後にクリニック開業の際によくある質問を紹介していきます。

無料コンサルと有料コンサルの違いは?

無料コンサルは医療機器メーカーや薬局などが提供し、特定領域での導入支援に強みがあります。有料コンサルは第三者的な立場で経営計画から開業後フォローまでを総合的にサポートできる点が大きく異なります。

契約前に押さえるべき書類は?

見積書、支援スケジュール、追加費用条件、守秘義務契約(NDA)の4点を必ず確認しましょう。これらを取り決めておくことで、後から想定外の請求や情報漏えいリスクを防げます。

開業までの平均期間は?

物件が未定の場合は12〜18か月、医療モール内テナントなど場所が確定している場合は6〜10か月が一般的です。スケジュールを圧縮するには、物件探しと融資申請を早めに並行させるのがポイントです。

まとめ

クリニック開業コンサルは、診療圏調査・資金調達・内装機器選定・スタッフ教育・集患マーケまで専門家が伴走し、院長の準備負担と失敗リスクを大幅に削減できます。 費用は100〜300万円が目安ですが、補助金活用やDX導入による初期投資15%削減、患者数1.5倍増などで半年〜1年以内に投資回収する事例も多く、導入済みクリニックの多くが経営効果を実感しています。依頼前に支援範囲と成果指標を明文化し、複数社を比較することで最適なパートナーを見つけましょう。

ニューハンプシャーMCでは、医療に特化したコンサルティングサービスを提供しております。 開業や継承、集患に悩んでいる方は、ニューハンプシャーMCにご相談ください。 オンラインでの無料相談も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせはこちら

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この記事を書いた専門家(アドバイザー)

著者情報 佐藤潤一

株式会社ニューハンプシャーMC 
主任コンサルタント

大学卒業後、複数の職務を経験し、株式会社ニューハンプシャーMCに入職。
これまで、数十件のクリニック開業を支援し、経営難による閉院ゼロという成果を築く。
さらに、院長向け経営マネジメント研修やスタッフ接遇研修を担当し、現場での実践的なノウハウを提供。多くの医療機関から信頼され、患者満足度向上や集患に貢献している。

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