Column
不健全経営のすゝめ
※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。
不健全経営のすゝめ
※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。
2014.03.10
ファイナンシング――つまり資金調達の意で、事業に必要な資金を集め準備することです。方法を大別すれば、資本と負債です。資本は、株式会社ならば株主、医療法人ならば基金拠出者などから調達することになります。負債とは、一般的にイメージする金融機関からの通常の貸付や手形貸付、社債などです。とはいえ、医療法人格となると株式も社債も発行できず、一般市場から広く公募して資金調達ができません。よって、それ以外の方法に頼らざるを得ません。例えば、医療機関債という医療機関が行う金銭消費賃貸契約です。その他ファクタリングという診療報酬債権流動化という約2カ月後に基金などから支払われる予定の診療報酬を担保にした資金調達の方法です。他にもコミットメント・ライン、シンジゲート・ローン、リースバックなどがあります。
通常、勤務医時代から資金調達に明るい先生はあまりいません。住宅ローンや学資ローンで借入する際に少し知識をかじるくらいではないでしょうか。それがいきなり開業するとなれば、数千万から億という単位のお金を調達することになります。融資条件は交渉によって決まります。常識的な範囲であれば、こちらの言い値でも通ることは前述しましたが、知識が少ないことにより相手の言い値で融資を受けているケースも散見されます。民間の銀行も商売です。当然自行に有利な条件を提示してきます。しかしながら、意外とこの大事な部分に気づかず、銀行に何か公的機関のようなイメージで接してしまい、交渉しないで契約してしまうことがあるのかもしれません。