今の時代、病医院と患者をつなぐ大きな媒介がインターネットです。インターネット空間に散らばる様々な媒体を移動しながら患者は病医院を認知し、情報を収集して、特定の病医院を選択し、そして受診(来院)行動に移ります。この一連の流れのポータル(入口)として、通常「検索」を行います。その代表となる検索エンジンがGoogleです。
なお、病医院は“業”つまり商売として捉えた場合、店舗を構えて客が来店する地域密着型のいわゆるローカルビジネスというジャンルに分類されます。代表的なローカルビジネス業種には、トレーニングジム、ラーメン屋など各種飲食店、パン屋や本屋スーパーなどの小売店などがそれにあたります。これらは自身の生活圏内で用を済ませたいと考える対象であり、それを利用するには実際に店舗に行く必要があります。
ある日の夕方帰宅した際、突然に胃が痛くなったとします。救急車を呼ぶほどではないが、医者に診てもらいたいと思い、手元のスマホを取り出しGoogle検索機能を使って自宅近くでまだ診療を行っている評判のよさそうな消化器内科のクリニックを見つけました。ホームページからすぐにWeb上から順番を取り、順番が来るまでにそのクリニックへ向かい受付を行い先生に診てもらいました――といった典型的なユーザーの一連の行動があります。近年ではGoogleの検索結果表示が変更されました。前述の例で、「近くの消化器内科」と検索すればマップとともに店舗情報が掲載される仕様となっています。他のローカルビジネス業種で「近くのラーメン屋」と検索しても同様な結果表示となります。このようにローカルビジネスでは、Googleからの検索の結果で出てくるこのマップやGoogleマップのリストに表示されるかどうかで大きく売上がかわってくることになります。表示されるだけでなく上位表示される確率を上げる要素の一つが今回のタイトルになっている無料で利用できる最強の集患ツールともいえるGoogleビジネスプロフィールです。
スマホの普及によってマップを利用した店舗探しが主流となりました。マップに表示されることが潜在ユーザーに存在を知らしめることになります。特に、Googleで検索するユーザーが圧倒的に多い中、Googleマップへ表示されることで、ユーザーの来店確率が格段に向上されます。このマップへの上位表示のための対策のことを、ローカルSEO、もしくはMEOなどと呼ばれています。そのこの対策としての基本が、Googleビジネスプロフィール(過去の記事ではGoogleマイビジネスと表記していましたが、現在名称が変わっています)への登録し、適切な運用です。
手順としては、まずGoogleビジネスプロフィール登録を行います。そこで、自院のビジネス情報がGoogleに存在するかどうか、Google検索で自院名にて検索してみてください。おそらくはインターネット上にある情報をもとにGoogleによって自動で作成されているはずです。自動作成されたプロフィールには、自院が公開している画像や外観の画像とともに自院名、クチコミ、所在地、営業時間等といった情報が羅列されています。その中に、「情報の修正を提案:このビジネスのオーナーですか?」と表示されてた時は、まだ管理者不在の状態です。その場合「このビジネスのオーナーですか?」をクリックしオーナーであることをGoogleに申告します。店舗名や各種情報を確認する画面へ移行し、正しければ「管理開始」をクリックします。次に「確認方法をクリックしてください」というメッセージで「電話で確認」、「ハガキで確認」のどちらかを選択してメッセージに従っていけ登録完了です。なお開業直後などで自院のプロフィールが出てこないケースもあるかと思いますが、その時は、https://www.google.com/business/にアクセスして新規に作成してください。次回はオーナー登録完了後の編集のポイントについてお話します。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一