先日、久々に自分自身が患者としてクリニックを利用する機会がありました。斜位(目の焦点があっていない)の症状が出てきていたので、それに会わせたプリズム眼鏡を作るための処方箋をもらうため、自宅から近い眼科を探し受診しました。クリニックの経営コンサルティングを生業にしているため、良くも悪くもプロ目線(?)が入ってくることや、知り合いのクリニックを利用することも多いのですが、今回はあえて余計なことを考えずに、いち患者としての純粋な目線でゼロからクリニック選びをしてみました。早速スマホを取り出し、Google検索を行い、ローカルマップとともにレビューを参考にしながら候補を絞り込み、ホームページで時間や予約の有無などを確認して、最終的には診察予約を当日でもWeb上で予約時間枠でなく順番取りが可能なところに決めました。順番待ちの人数、診察の進行度合いをWebで確認しながらクリニックへ向かったので、待ち時間もほぼなく検査や診察もスムーズにできました。ただ、希に脳腫瘍などが原因で起こることもあるということで脳の検査も薦められたため、眼科の近くの神経内科への紹介状も書いていただきました。
紹介先の神経内科は、予約制がありません。ただ何人診察待ちがいるのかはWeb上でも把握できました。眼科を出る際にちょうど昼休みの時間帯に重なっていたこともあり、また昼休みでもその内科では診察の受付は行っていたため、2番目に受付でき、午後診開始までの空き時間は昼食に充てて午後診開始の頃に戻って、予約制ではなかったもののこちらでも待ち時間なくスムーズに診察できました。ただそこでMRIの検査となるのですが、その検査枠が1時間30分後しかありません。とはいえ眼科の処方箋を持って眼鏡屋に行くのには丁度いい時間だったので、その空き時間を利用して、眼鏡を作ることができました。眼鏡屋から戻ってこちらも待ち時間なく検査を行えました。MRIの検査結果は3日で出るので、それ以降に受診してくれと看護師から言われ、その日は帰宅しました。
それから数日後の在宅ワークを行っていた日、オンラインでのコンサルティングが終了した時点で、時間が取れそうだったので、神経内科のホームページで待ち人数を確認したところ15人待ちでした。仕事の電話を一本して20分ほど過ぎ再確認したところ15人のまま減っていません。先ほども述べたとおりWebで順番取りはこの内科ではできません。予定を考えると、その日の受診は諦めてかけていたのですが、更に20分くらい経って確認すると5人まで減っていました。すぐに自宅を出て受付できれば、次の予定に間に合うと踏んでクリニックへ向かい受付すると、5人増えて10人待ちになっていました。結局、1時間ほど待っていましたが待合室でノートパソコンを持ち込み本稿の原稿を書いて過ごし、結果も異常なく次の予定ギリギリで会計を済ますことができました。たまたま紹介でこの内科を受診しました。診察自体に何の不満もありません。とはいえ次に利用するかと言えば仕事を持つ身として、なかなか難しいのかなと思いながらクリニックを出ました。
さて原稿量の3/4を使って筆者の受診体験談、つまりペイシェントジャーニーを冗長とは思いながらもあえて書き連ねてみました。クライアント先でユーザビリティテストというものを行うことがあります。実際に利用する人、もしくはその人を想定しながらなりきって使ってもらうことで、問題点やニーズ、テスト対象の使い勝手などを抽出していくテストです。現代のデジタルマーケティングでは、受診までの導線の良し悪しでその効果が決まってきまってくることもあって本テストをする意義はとても高く有効です。改めて患者になりきって患者目線でまずは窓口に来るまでのジャーニーを、自らもしくは職員、身内の方で疑似体験してみてください。自院のホームページや受付方法や手段など改善点が炙り出てくるはずです。一度ユーザビリティテスト試してみてください。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一