いよいよ今年2020年に第5世代移動通信システム、いわゆる5Gの商用化が始まります。5Gとは、より高速かつ多くの容量を最短距離にて通信できるようになります。交通手段で例えるならば、車での移動が飛行機になったようなものです。4K・8Kのような高画質動画、VR(バーチャルリアリティ)コンテンツなどがスムーズにアクセスできるようになります。また遅延が少なくリアルタイムでの通信が可能となり、自動運転自動車やロボット等も遠隔操作・制御ができます。更に、多数同時通信接続も容易になるた様々なデバイスに接続ができるようになるため、ますますスマートホーム(家の家電製品などをインターネットでつなぎスマホや音声、センサー、GPSなどでコントロールすることで快適な暮らしを実現する家)化が推進されます。
私の人生を振り返れば、この移動通信システムの技術革新の都度、生活に変化をもたらしてくれました。80年代から90年代にかけての第1世代(1G)では、アナログ無線技術の進化によって、学生の頃愛車に積んでいたアマチュア無線機が携帯電話と切り替わりました。2Gではデジタル化により携帯でメールが送れるようになり、時間に拘束されないコミュニケーションが容易になりました。iモードによって電話以外の使い方の幅が広がりました。3Gから4Gでは、普段使っている携帯やスマホをそのまま海外でも使えるようになりました。また仕事柄、全国各地への移動も多く、どこにいても移動中でもオフィスにいるがごとく何不自由なく鞄一つで仕事ができる環境になっています。
また10年ほど前に3G通信網と中継するモバイルWi-Fiルーターを利用してノートPCなどに接続していました。妻の実家(長野県八ヶ岳のふもと)は、当時の通信会社の対応エリアのライン上にあり、通信が安定せず車で数分移動して電波を取りに行ったりしていました。今では電車移動ではトンネル以外ではほぼ繋がりますし、飛行機ですら無線LANの利用も可能となっています。
読者の方々も携帯電話会社のパンフレットに色分けされた対応エリアが乗っている地図をみて、自宅や職場など自分の行動エリアと重なっているかどうかチェックして、一喜一憂(?)した記憶があるのではないでしょうか。それも10年以内の話です。今回も5G商用化によって同じことが起きるでしょう。また、あっという間に5Gが当たり前となっていくはずです。自分の知らぬところでまた知らず知らずのうちに生活に入り込んでいくことも容易に想像できます。
広告代理店最大手の電通が今期上場以降初めて営業損失を計上しました。その原因を細かくみればいろいろありますが、広告の方法が大きく変わってきたととこのニュースを見たときに真っ先に感じたことです。TVCM等マスメディア広告を利用するには代理店を通します。一方でGoogleなどのWeb広告は直接取引です。また消費者購買行動もデジタルの普及により急速に大きく変化しています。どれだけ早く大きいのかは知っている人ほど感じており、それを知る環境に身をおいていない病医院経営者は、“知らず知らず”周囲だけが激変している状況になりがちです。
5Gによって、コミュニケーション媒体はより変化してきます。前述のとおり5Gの特性によって動画コンテンツの影響力が大きくなると予想されます。そのためマーケティングもそれに適応していく必要があります。最近ではユーチューバーが小学生の将来なりたい職業ランキングの上位にあがってきます。YouTubeで稼ぐ人たちのことです。人気ユーチューバーであれば億単位で稼ぐとも可能です。YouTubeを視聴しない人やYouTubeの影響力を実感しない人、またYouTubeでどのように稼ぐスキームなのか知らない人にとっては、ユーチューバーがなりたい職業の上位にくるのか、理解が難しいでしょう。次回は、YouTubeについてもう少し掘り下げてお話しいたします。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一