今年8月の行われたGoogleコアアルゴリズムのアップデートから遡ること10日ほど前、検索品質評価ガイドラインも改定されました。大きな変更点としては①「低品質」の定義変更②E-A-Tの重視③YMYLの安全性の追加の3つが挙げられます。前回の連載で①「低品質」の定義変更について述べました。今回は②E-A-Tの重視③YMYLの安全性の追加について触れていきます。
E-A-Tとは
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthiness(信頼性)
です。先に述べた「低品質」の逆でGoogleが定義する「高品質」なサイトコンテンツとして認められるための要件です。つまり②E-A-Tの重視とは、「専門性、権威性、信頼性をGoogleでは重視して評価します。つまりこの要件に当てはまれば検索を上位に表示されることにつながってきます。
病医院が開設するWebサイトは、当たり前ですが医療関連に関するものを中心として構成されてきます。ガイドラインにも、医療に関する情報や助言について次のように触れています。
『高品質(High E-A-T)の医療アドバイスは、適切な医療専門知識を有した、もしくは専門機関から認定された人や組織によってもたらされるべきものである。またこれらアドバイスや情報は、専門家としての立場から制作され、また定期的に編集、レビュー、そして更新されるべきである』
特別なことを求めているわけではありません。しかしあえてこのように書いているということは、巷にはそうでない医療コンテンツが多いということなのだと思います。病医院がつくるコンテンツなのだから、医師、看護師、技師などが書く記事であれば、これらの要件は一定水準満たすことができるので、専門性という点で担保されていきます。ホームページであれば、院長や医師のプロフィールが掲載されているはずです。Googleに対してより専門性や権威性を訴求するプロフィールをより濃く載せることも有効な手段かもしれません。また、書きっぱなし、作りっぱなしではなく、適宜アップデートしていくこともSEO(検索上位表示対策)の一つとなるはずです。
③YMYLの安全性の追加の変更について、YMYLとは、「Your Money or Your Life」の頭文字を集めたものです。Googleでは、お金や生活に関するコンテンツの質を重視していくこととしています。ガイドラインではYMYLのページ例について以下のように示しています。
・買い物や金銭取引に関するページ
・資産運用情報関連ページ
・医療関連ページ
・法律関連ページ
・その他養子縁組、車の安全性など
これらが特に安全性が求められる内容でなければならないというのももっともな話です。なお、医療関連ページとは具体的には、健康、薬物、特定の疾患、もしくは健康状態、メンタルヘルス、栄養に関する内容とあります。これらの関連ワードが含まれてくるページはGoogleの評価が優先的に介入されるということです。
実際には医師が執筆したコンテンツが評価されて、すべてアクセス数がアップしているかといえば、必ずしもそうではありません。まだ分析に足りるだけのデータが取れるだけの時間がアルゴリズムアップデートから経過していないこともあるので、評価が不十分ではあります。
筆者がこの8月に開業されている先生方とともに、『医者が教える病気のブログ(https://doctors-blog.com/)』を開設しました。これはユーザーへの適正な医療情報の提供はもちろんのこと、Webマーケティングの一つのコンテンツとして位置付けています。今後、ガイドラインがどのように反映されていくかも含めて楽しみです。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一