今年8月1日にあるものが変更されました。正確に言えば、Googleのコアアルゴリズムのアップデートを実施したと発表した日です。アルゴリズムとは、検索順位を決定するための200以上の検索順位を決定する要因のことです。検索エンジンにおいて、ユーザーが求めている情報にできるだけ合致させるよう、サイト上の語句、住まい地域などを手がかりとして上位に表示させていきます。Googleのそれは頻繁に起こっています。
昨年12月に行われたアルゴリズムのアップデートでは“医療・健康”に関する検索結果の改善を意図したものがあり、医師などの専門家や医療機関から提供されるような、信頼性の高く有益な情報を上位に表示させるというものでした。この時には、対策を立てているクライアント先では効果があらわれました。
今年3月にも大きなアップデートがありました。その際にはクライアント先に限っては医療機関サイトでは、あまり影響は受けませんでした。しかしながら、今回のアップデートでは、効果が出ているクライアントほど、下落傾向が見られます。あるクリニックでは、一番多い時に一日1500件あったアクセス数が8月に入ると一日10件以下になったり、春頃から急上昇しそれ以降コンスタントに400件あったクリニックが20件程度となったりしました。逆に、特に対策を打っていないような一日30~50件程度のアクセス数のクリニックは、あまり変化がありませんでした。また、長期にわたりブログや記事を定期的にアップしていたクリニックのサイトについては、200%以上の上昇を示しています。
アルゴリズムの詳細は、非公開でありGoogleの意図を完全に理解はできません。また、本稿を書いている時点では、まだアップしてから1ヵ月と分析できるだけの情報蓄積の時間もなく、予測の域を超えない程度ではありますが、弊社クライアントサイト、Web関連業者からの情報などをもとに、アクセス数が変化(つまり表示順位が上がったり下がったりした)サイトの傾向をお伝えします。
表示順位が上がったサイトの傾向として共通しているのは、前述したように、定期的にブログや記事をアップしているクリニックです。あるクリニックでは開業当初から4年、不定期ではあるものの月一回以上のペースで院内報を発行しています。それをサイト上にアップし続けています。インフルエンザや花粉のシーズンなど時季に合わせたトピックで、通常200件ほどのアクセスが過去には花粉症の時期に合わせて2000件まで増加し、その後は安定して250件程度のアクセス数でした。8月以降これが400件~500件程度まで伸びています。また別のクリニックでは2000年頃の開業当初から毎月末に一度も休まずブログをアップし続けています。これらが上昇した理由としては、以前よく読まれていた記事が、過去のアップデートで順位を落とした古い記事が、今回再評価されたと考えられます。過去蓄積された要素が評価要素として捉えられたのかと思います。
またサイト運営者が明確になっているサイトが上昇する傾向にあります。つまり「運営者は誰か」「記事を投稿しているのは誰か」がはっきりしているサイトは良い評価を受けている傾向にあります。記事の信頼性を担保してのことでしょう。
逆に評価を下げたサイトは、情報が古くなってしまっているサイトです。古い記事が評価されている一方で、アップせず放置してしまったままのケースでは顕著に落ち込みました。他にも、画像がない、改行がないなど見にくいサイトや、スマホ対応になっていないサイトなども下落傾向にあります。紙面の関係上、書ききれないことが大半ではありますが、つまるところ「良質なコンテンツ」に評価は集まるでしょう。病医院サイトならば尚更のこと、変化に変に踊らされることなく、ユーザーの求める情報をアップデートしてみてください。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一