Column

不健全経営のすゝめ

※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。

コンテンツ・マーケティングの実践① (163)


情報氾濫時代におけるユーザー行動の変化

自分が元来新しいモノ好きであるということもあるのですが、我が家には多くの情報通信端末に囲まれています。自分用のスマートフォン1台、PCは3台、iPad が新旧品2台、防水機能を有する日本製のタブレットが2台、妻と中学生の長女にiPhone1台、小学2年生の次女にすらキッズ携帯と通信教育につかうタブレット端末を有しています。近年ではテレビ、据え置きゲーム機器もすべてネットにつながる時代ですので、気づけば合わせて情報通信端末は20台近くにもなっています。

これらそれぞれの端末を開けば、様々な広告が表示され、アプリ、サイト、その他さまざまなプッシュ通知や広告メールが送られてきます。またこちらの都合や要望に関係なく、アプリインストールを進められたり、配信許諾を求められたり、SNSサイトからも頼んでもいない新しいお知らせメールが何十件も送られてきます。その上で迷惑メールです。知りたい情報や視聴したいコンテンツをいつでもどこでも得られるメリットの弊害とはいえ、こちらか求めていないのに送られてくる広告にうんざりします。これは情報端末が多かろうが、少なかろうが、インターネットにつなげてしまえば、誰でもがその環境にさらされてしい、ユーザー全体としてこのようなプッシュ型広告と言われるネットを介した売り込みにうんざりし、これら広告はどんどんスルーされるようになっています。またインターネット上に氾濫するコンテンツは、最終的には広告目的であることがほとんどだということも、ユーザー側も気づいています。だからこそ、自ら知りたい情報については、様々な情報端末を介して自ら検索して取りに行く傾向がより強くなってきています。
その流れを汲んでいるのか検索エンジンの雄であるGoogleも「ユーザーに良質なコンテンツにたどり着くように上位表示させることができれば、ユーザー満足につながっていく」という考えのもとでアルゴリズムを変更し、良質なコンテンツを配信すれば検索にひっかかりやすくなりました。

なぜ今コンテンツ・マーケティングなのか

病医院が利用する広告媒体としては、旧来からある駅・電柱看板、電話帳広告などがありますが、現在最も費用対効果の高い媒体はインターネット広告媒体です。ホームページ開設以外にも、リスティング広告やディスプレイネットワーク広告、SNS広告、アフィリエイト広告、メール広告、ネイティブ広告など今回詳細は述べませが多岐にわたります。とはいえ個人開業医が出せる広告予算は限られています。しかしコンテンツを自分で作成すればコストを抑えて始めることができます。例えばブログを利用してコンテンツの配信であれば、現在無料ブログサービスを利用すれば、開設から維持まで一切お金はかかりません。勝手に広告がつけられてしまう、カスタマイズに限界がある、提供会社の都合で勝手に削除されたりしてしまう可能性があるなど無料なりのデメリットもあるのですが、無料という気軽さは大きなメリットです。

またブログにせよホームページにせよコンテンツは書いた分だけ、Web上に蓄積されていきます。何年も前に書いたブログが今でも多くのユーザーを集めるものが多々存在するのです。このようにコンテンツはマーケティング資産として形成され24時間365日休まず働く優れた営業マンでもあるのです。500年以上も前のヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷発明以来、印刷物を通してコンテンツを活用したマーケティングは存在しています。しかし近年その影響力が増しています。
・インターネットが普及した
・ユーザーのプッシュ広告にうんざりしている
・Googleがコンテンツ重視へ変わってきた
・コストをかけずに実践できる
・マーケティング資産として積み上げていける
つまり今回書き記したことがコンテンツ・マーケティングの影響力増加の理由そのものなのです。
次回は、どのように実践するのかもう少し掘り下げてお話しします。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一

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