病医院を決める際のひとつのきっかけとしてインターネット検索があります。昨今は、多くの患者がインターネットを利用して選択するようになりました。この世界は、ものすごく進化が早く、インターネットにおけるマーケティングも同様に日々新しい技術や手法が開発されています。本連載において、これまでも何度も取り上げてきましたが、1年くらい前の内容がすでに過去のものになってしまった技術もあったりします。
インターネットの世界だけでなく、通信端末も毎年新しいく更新されています。ガラケーと呼ばれた携帯電話から主流はスマートフォンになっています。技術進化の象徴ともなっている初代iPhoneが発売された2007年6月29日から、10年経ちました。10代から30代の若い世代から、広まり、上の世代にも浸透してきました。それから10年ですから当時40代、50代でも60代となっています。糖尿病や高血圧症などの罹患率が上がる世代にもスマートフォンが行き渡っているので、病医院検索にインターネットを利用する人の割合が急増しているともいえるのです。つまりは、病医院におけるマーケティングにおいても、その潮流に合致していければ新患獲得につながります。今回は、このようなスマートフォン利用者へのアプローチについてご紹介していきます。
スマートフォンで病医院を探す時、iPhoneならば「Hey Siri」、その他のAndroid端末ならば「OK, Google」と呼びかけて内科や小児科などの標榜科、糖尿病や白内障など病名をスマートフォンに向かって伝えれば、その検索結果が表示されます。音声検索は利用したことがなくても、ブラウザを開いて、これらのキーワードを入力すれば同様に検索結果が示されます。
今回は、Googleの検索エンジンの利用を想定して話を進めます。スマートフォンの画面に示されている検索結果をご覧いただくと、通常は上から順番に「http://www・・・」といったURL表記があり、その下には「内科」といった検索キーワードになります。
次にくるのが広告とのアイコンが出てくるWebサイトが数行出てきます。場合よっては、表示されない場合もあります。その下に表示されるのがマップです。昨年あたりからGoogleだけでなく他の検索エンジンでも採用され出したスタイルです。そのマップには自分の居場所を中心として関連する施設が点在しています。更にそのマップの下には示された施設名、★が並ぶレビュー評価、現在地点からの距離、営業時間(登録した診療時間が過ぎていれば営業終了)が表記され、電話のアイコンを押せばそのまま電話番号を押さなくても電話をかけることができます。更にスクロールして下のほうに進めばようやく、検索結果が何行にもわたり示されることとなります。
この説明に出てくる広告エリア、次のマップエリア、そして検索結果エリアの3エリアそれぞれに対策を打つことが、今時のスマートフォン利用者へのアプローチになってきます。広告エリアはリスティング広告への対策です。これは旧来から行われているもので、有料の検索連動型の広告となり、クリック数に応じて課金されます。またマップエリアを挟んだその下にある検索結果エリアも旧来からSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)として上位表示のための対策を打っています。これまでのWebへの対応策としては主流でもありました。ただ今一番効果の出しやすい対策としては、その中間にあるマップエリアへの対策となります。特に自宅や職場からの距離も重要となる病医院におけるマーケティングにおいて親和性は高くなります。MEO(Map Engine Optimization)とも言われ「地域+業種」といった検索キーワードに強いGoogleマップ上位に自院を掲載させるため対応策となります。次回、続きをお話しします。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一