昨年秋、バック・トゥ・ザ・フューチャーがTVやCMで度々取り上げられました。M・J・フォックス演じるマーティが親友の科学者ドクが発明したタイムマシンでタイムスリップするという1980年代の人気SF映画です。この映画は1作目の大ヒットを受けてPart3まで制作されていますが、昨秋の話題にあがった理由が2作目の舞台にあります。1985年で主人公マーティの未来に生んだ息子が問題を起こすということで、30年後へ再びタイムスリップをするところから2作目の話が始まります。それが2015年10月21日の設定でした。作中ではその当時の空想の未来の世界が描かれており、大画面薄型テレビ、TV電話、タブレットPCなど実現化しているものやまだ実現していない宙に浮く車輪のないスケートボード(ホバーボード)や自動で結ばれるナイキのシューズなど、現在の技術のギャップ等に楽しませてくれています。
またそのホバーボードは、トヨタのCMで登場したり、シューズも開発中とのニュースが流れたりと近いうちに現実となるものも少なくありません。自分とはかけ離れた世界だけでなく、身の回りにおいて、自分の知っていることは一部で、知らないところでも常に進化しているものだと強く認識しました。筆者が専門とするマーケティングの世界でも同様です。特に最近では、その分野が更に細分化されてきており、医療の専門分野が細分化されているのと同じ状況が生じています。それこそ常にアンテナを張っている私達でさえも、その細分化と進化のスピードについていくことが簡単でないくらいです。その代表が、インターネット技術を利用したマーケティングです。前回の連載ではAdWordsといったGoogleの課金型の広告について触れています。キーワードを入力し検索すると、自分の欲しい情報が得られるであろうサイトが検索結果として表示されます。またそこには、広告主がお金を支払って表示されるリスティング広告も同時に表示されます。その広告料が入札制ということも前回お話しました。
普段からインターネットを利用している人でもこの「リスティング広告」という言葉やそのシクミを知ったという先生も少なくはないはずです。これが身近なところに起きている進化のひとつで、もう1つそれに関連して「ディスプレイ広告」というものはご存知でしょうか。これも、インターネットを利用されている人であれば、意識しなくても自然と目にしている広告です。
インターネット利用時、その起点となる様々な情報にアクセスできるようになっているポータルサイトに通常アクセスします。その代表格のひとつがヤフーです。その情報の中には、必ず紛れて画像や動画の広告がいくつも載っているはずです。また毎回同じ広告でなく、アクセスする度、またページ毎に広告が切り替わっています。しかも、その広告は自分が過去に興味を持った商品やサービスだったりします。つまりこれは過去に自分(または端末の所有者)が検索したキーワードやアクセスしたサイトに関連付けされているからです。
例えば、自身が新しいマンションを探していたりすると、新築マンションの広告や、不動産売買に関するサイトの広告になっていたり、健康食品をネット通販を利用して購入していれば、それに類する広告が表示されます。リスティング広告は、キーワードをその時に入力しているため、クリック率は高くなりますが、リスティング広告は過去の行動に依るものなので率は下がります。両方とも課金型広告ですが、ディスプレイ広告の特徴は、興味を持ってクリックする率は低くなりますが、クリックしなくてもネットを利用していれば何度も広告が視野に入ってくるため、それが頭に刷り込まれていくため、リスティング広告とはまた違ったアプローチができるのです。
予防医療、自費診療、そして診療単価の高い保険診療では、すでに利用している医療機関もあります。一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一