Column

不健全経営のすゝめ

※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。

Media Strategy (132)


メディア戦略とメディア種類のフレームワーク

メディア戦略(Media Strategy)というマーケティング用語があります。様々なメディア(広告・広報媒体)によって、ターゲットとなる消費者に訴求するかということに焦点をあてた戦略です。このような媒体を使ったプロモーション活動を行う際には、訴求内容となる広告の素材を創りだすクリエイティブ戦略(Creative Strategy) があり、その素材をこのメディア戦略によってメディアミックス(Media Mix)され発信・配信していきます。

メディアの種類に関するフレームワークは、いろいろなものがあります。筆者の場合には、アナログメディアとデジタルメディアと区分し、アナログメディアであれば、新聞やチラシなどの紙媒体、電柱や駅看板などの鉄媒体、自院に設置する看板などの直媒体、連携医療機関や地域コミュニティのようなところを人媒体と定義づけしています。またデジタルメディアは、ホームページやSNSなどWeb上の電子媒体、テレビやラジオなどの電波媒体としています。
またトリプルメディア(Triple Media)という別のフレームワークも今時よく使われます。トリプルということで、その要素は3つあります。1つ目は、オウンドメディア(Owned media)です。読んで字のごとく発信する側である企業や団体自身が保有・運営するメディアで、代表的なものはホームページです。いわゆるコーポレートサイトといわれますが、現在大半の企業・団体は自身のサイトを開設するようになっています。インターネット通販を業としているならば、通販サイトもあるでしょうし、何らかの啓発活動のためのサイトもこれにあたります。他にも、ブログ、メルマガもこれにオウンドメディアとなり、特にインターネット利用者の検索ニーズにヒットさせることが必要です。つまりSearch Engine Optimizationと呼ばれるもので検索エンジン最適化(SEO)によって、検索結果で上位することで露出・出現頻度を多くする取り組みが必要となります。

発展途上のマーケティング

2つ目はアーンドメディア(Earned media)です。Earedは名声や評判を獲得するといった意味を持ちます。Facebook、Twitter、Instagram、LINEといったいわゆるソーシャルメディア(Social Media)や食べログなどの口コミサイト、Yahoo!知恵袋のような知恵や知識の共有化をはかるナレッジコミュニティ(Knowledge community)といったCGM(Consumer Generated Media)と呼ばれる消費者や利用者側がコンテンツを創りだすメディア全般がこれにあたります。アーンドメディアは、コンテンツ内容やターゲットの属性の見極めが大切になります。

3つ目がペイドメディア(Paid media)、つまり有料広告です。インターネットでは、リスティング広告といって、検索結果の上位に広告として表示され、ワンクリックでいくらというような検索連動型のWeb広告があります。またディスプレイ広告というもがあります。これはあるサイト内に過去に検索や閲覧した関連ページの画像が差し込まれます。他にもニュースコンテンツ内に記事広告として差し込んだ形式のネイティブ広告があり、短期的な効果が期待され、導入には費用対効果測定がポイントとなるメディアです。
今回は、よくわからないカタカナを並べるようなステレオタイプの怪しい経営コンサルタントのようになってしまっていたかもしれません。これまで、あまり多用せずに寄稿してきたのですが今回は、あえて使ってみました。もともとこのマーケティング分野はアメリカの思想によって構築されてきた世界です。日本ではまだマーケティング分野におけるその歴史もまだまだ浅く、医学と違い日本語による表現変換されないままできてしまっています。それだけまだまだ浅い世界なのです。更には医業への導入は、遅れています。やったもの勝ちとは言えませんが、競合他院はやっていないのですから、やっただけ効果のあがるものなのです。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一

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