駅看板、電柱広告、道脇に設置されている野立て看板、その他さまざまな広告媒体があるなかで、近年において最も費用に対して集患効果の高い媒体といえばインターネット媒体です。今や自院ホームページを持たない病医院のほうが珍しくなってきています。とはいえ、開設したものの、その後は休診のお知らせ、時季前にワクチン類の費用など更新する程度で、ほぼ放置してホームページが大半です。ただサボって放置しているわけでもなく、逆に何をすれば良いかわからないということなのかもしれません。ここでまず何からすれば良いかを述べていきます。
現状を知ることから始めます。つまり自院のホームページにどのくらい訪問数があるのか、それが近隣地域から閲覧しているのか、何ページ閲覧しているのか、ホームページをしっかり読んでくれているのか、閲覧者のニーズに合致しているか、使い勝手が良いか、そしてどんなキーワードで検索して訪問してくるのかくらいは知っておきたいところです。これらを分析するためにアクセス解析といわれるツールを用います。世の中には有償、無償問わず様々なものが存在しますが、今回はGoogle社が提供するGoogleアナリティクスを例に取っていきます。基本的なところは無償で利用可能です。
Googleアナリティクスを開始するためにまずGoogleアカウントを取得します。そしてGoogleアナリティクスに申し込む際にアカウント名、ウェブサイト名、URLの3つが必要となります。申し込み完了後にトラッキングコードを取得し、それを自院ホームページに埋め込みます。といってもそれなりに知識がなければほぼ書いていること自体意味不明でしょう。それであれば、ホームページを管理している業者へ「Googleアナリティクス」が使えるようにしてほしいと依頼してください。作業は簡単なので、一般的には毎月管理費を支払っていれば追加費用を請求されることはなく、請求がきても数千円程度です。
Googleアナリティクスをみていくと知らない用語が多く並びます。そこで基本的な用語を押さえておきます。
【セッション】Webサイトへの訪問者でひとり閲覧していればセッション数が1とカウントされます。ちなみに、同じ人(同一アカウント)がサイトをいったん離れ30分以上経ってまた訪問すれば2とカウントされます。
【ページビュー数】“セッション”1回で10ページを閲覧したらPVは10とカウントされます。
【平均セッション時間】各ページを開いていた平均時間です。長ければ読み込んでくれていると判定できます。逆に短いということは、コンテンツが閲覧者のニーズに合わない、つまらないということが想定できます。
【直帰率】ページ移動することなく1ページだけみてホームページから離れていった閲覧者の割合を示し、直帰率が高いということは閲覧者のニーズに合致したものでない、もしくは使い勝手が悪いと想定します。
【オーガニック検索】どのようなキーワードで検索してアクセスして訪問しているのか判定できます。例えば、「内科 地域名」「胃カメラ 検査」「糖尿病 専門医」「尿蛋白」などが並んでいれば、閲覧者の検索ニーズとコンテンツが合致していると思われます。ただ何もそのような手を打っていなければ、自院名称などの固有名詞が並ぶだけになります。つまりは、ホームページを見て自院を認知したわけでなく、施設の前を通ったり、電柱広告を見たり、口コミで名前を聞いたなど別の動機があり、インターネット経由であってもインターネット媒体が最初の動機でないため改善の余地があります。
上記以外にも多くの初めて見るような用語が並ぶのでとっつきにくいかもしれませんが、週1回、あるいは月1回でも良いので継続してGoogleアナリティクスを開いてみてください。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一