◇ペイドメディア(paid media)
リスティング広告、ディスプレイ広告など各種Web広告媒体。広告出稿に費用がかかる。即効性は高い(ターゲットと媒体がマッチできていれば)。
◇アーンドメディア(earned media)
ツイッター、FacebookなどのSNSなどの媒体。信用や評判の獲得を目的とする媒体。レビューが高くなればコンバージョン(反響)率も高まる。
◇オウンドメディア(Owned media)
ホームページ、ブログなど自社(自院)所有の媒体。発信側の意図を伝えることができ、コンテンツもコントロールできる。
以前の連載(132回)でも触れたことがあるのですが、トリプルメディアといった現在の媒体分類方法の一つがあります。インターネットの誕生によって発信者側との相互通行が可能となりました。一般企業だけでなく、医業であっても、媒体の最適化によって集患につながってきます。
前回の連載において、オウンドメディアの一つであるブログはマーケティング資産となっていくとお伝えしました。ブログは構築するもしないも自分でコントロールできる範疇です。つまり自らがコンテンツを作り込んでいくことができ、そのコンテンツはインターネットの中で資産として蓄積できるのです。その資産が24時間365日、インターネット利用できる消費者(患者)のニーズとマッチングしてくれるのです。ただ今の時代はそれこそ誰でも気軽に発信できてしまうため、無数のコンテンツから、選ばれなければなりません。つまりコンテンツを垂れ流していただけではそれこそ徒労に終わります。そうならないためのブログの書き方のポイントをお教えします。
まずは、ブログのテーマ選定です。時々見かけるのが、プライベートや日常のちょっとしたことを載せるパターンです。ブログなので何をやっても構わないのですが、集患を目的すれば発信者にそれによって医師への親近感がわく程度で、それ以外あまり意味を持ちません。それよりも何よりも医師という医療の専門家としての知識や意見を世の中は求めています。よって病気や健康に関するテーマに絞ります。
次にブログの見出しにこだわります。例えば「医師が実践している花粉症対策」です。専門家が自ら行っていることは多くの人が気にならないわけはないのです。花粉症のシーズンともなれば「花粉症」での検索数は確実に増えます。ここでは病名を入ています。季節性があれば時期もあわせます。ちなみに病名というのはできるだけ一般の人が使っているものが良いでしょう。病名の他には主訴や症状です。例を挙げると「“夜中に呼吸が止まってたわ”と妻にいわれたならば」や「目がかすむ!かすみの原因は目の濁り」などです。内科などであれば健診や検査結果の用語を使うと、ニーズを拾えます。例えば「尿酸値が高い時には」などです。どれも検索する側のニーズと見出しのマッチング精度をあげていくことが、アクセス数を増やすための最大のポイントです。
見出しが決まれば、書く内容も決まってきます。書き方としては、専門用語については医学的知識がない人にわかるように平易にかつできるだけ短く説明します。またブログということで読み手側の感情にも触れておきます。例えば、花粉症であれば、「マスクが手放せず苦しいですよね」といったイメージです。「友人の医師も実践している」など話題に触れて、また図表や画像も差し込みます。またこれらの根拠を示し、読み手が行動に移せるような具体的な内容で締めるということも大事です。そして、自院に受診行動につなげるように、自院サイトへの誘導や、診療予約システム、電話発信できるようにしておくことも忘れないようにしてください。最後のポイントは、始めたら続けることです。ただこれが一番難しいことで、続けられる仕組みづくりが最も必要なのかもしれません。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一