Column

不健全経営のすゝめ

※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。

今更ながらのブログ活用① (152)


ブログとSNSの違い

今更感もあるかもしれませんが改めてブログという媒体について語っていきます。そもそも、ブログとはウェブログの略で、ウェブサイトに記録(ログ)するからWeb Log。ブログです。15年くらい前から流行りだしてきました。ブログを通じて積極的にプライベートの近況や体験を日記のように伝え、それが世間に受け入れられて何百万PV(※ページビューの略でアクセス数をかぞえる単位のひとつ)にもなるブログも存在します。当然それがプライベートだけでなく、ビジネスなどにも活用されることとなります。ただしビジネスとはいっても、ホームページと違ってあくまで一個人の意見や見解を発信する媒体がブログなのです。近年では、発信力を活かしてアフィリエイト広告といわれるクリック数に応じた成功報酬型の広告を貼り収入を得ることも可能です。ブログの利用者に対して企業から商品を提供するなどして、個人の使用体験などブログを通じて拡散させることで売上につなげるというマーケティング手法も登場しました。一方では、ブログのその特徴から影響力のあるタレントなどにウソの記事を書かせたり、企業が個人になりすましてブログを発信したりするいわゆるステルスマーケティングなる手法が世に明らかになり、その企業やタレントが不買運動や休業に追い込まれたりしました。

このようなネガティブなことがあり、更にはFacebookやTwitterのようなSNSと呼ばれるWeb媒体が生まれ、ブログという媒体が衰退してきた感は否めません。ちなみにSNSとはSocial Networking Service の略で、個々人をつないだ、コミュニケーションを楽しむための媒体です。つまりは会話に近いため、ブログのそれとは異なります。またSNSはフロー型媒体といわれ、投稿した記事は時間の経過とともに下へと流れていき、いずれは消えてしまいます。しかもこれら投稿記事は検索エンジンからのアクセス性は良くありません。一方ブログではストック型といわれ記事は積み重なっていき、消えることはありません。検索でも引っかかってくるので数年前の記事がいまだにヒットすることも珍しくありません。

ブログはマーケティング資産の形成となる

過去の記事が積み重なってくることこそが、ブログの特徴であり媒体としての強みとなってきます。前述のステルスマーケティングによってブログの記事への信頼性が損なわれたこと、またGoogleのアルゴリズム(検索順位を決定する要素)の変更によりブログの検索順位の低下などで、一時マーケティングの主流ではなくなりました。だからといって、世の中の人が一個人の意見や見解を知りたくなくなったということではありません。今や飲食店を探すにも商品を選ぶにもサイトの口コミや利用者の評価を参考にします。また特に影響力のある人物やその世界の専門家のそれは誰もが知り得たい情報です。だから、「医者が教える○○法」なる類に弱いのです。

世の中の人に受け入れられるニーズのある情報であれば、PVが増えます。PVが増えればそれだけ患者とのタンジェントポイント(接点)が多くなります。比例するように来院動機の機会が増えて来院増加となってくるのです。病医院のWebマーケティングにおいての親和性が高いのがブログともいえるのです。本連載でも、リスティングやディスプレイネットワークなどWeb広告方法も紹介してきました。これはこれで相応の費用対効果が期待できるのであれば導入する価値のあるものです。しかしながらこの方法のデメリットとしては当然有料広告なので広告宣伝費の支払いを止めてしまえばそれで終わりです。一方ブログは、積み重なってくるものであるとお伝えしたように、病医院のマーケティング資産としてずっと残って24時間365日マーケティング活動をしてくれます。良い記事は人を惹きつけます。良い記事を書くためには、自身の研鑽も必要です。次回はブログの書き方のポイントについてお話しします。
株式会社ニューハンプシャーMC
代表取締役・上席コンサルタント 柴田雄一

CONTACT

お気軽にご相談ください