Column
不健全経営のすゝめ
※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。
不健全経営のすゝめ
※柴田雄一が連載中の『卸ニュース「病医院経営のチェックポイント」(IQVIAソリューションズジャパン(株)発行)を転載した記事となります。
2020.06.27
新型コロナウイルスの影響による減収により、大半の病医院では様々な対策を強いられています。そのために資金調達や固定費の削減、増収策など緊急的な対策を行っていることでしょう。またこのような未曾有の事態が起き、これまでにない減収という事象が発生すると人は不安を覚えます。その不安を少しでも緩和させるために必要なことは、自身の現在地を知ることと未来を描くことです。自身の現在地を知るということは、2つあります。ひとつ目は、到達地点となる設定している目標に対してどの位置にいるのか、またその到達までの経路に対してどの程度のズレが生じていているのかというまさに現在地の把握です。ふたつ目は、自分自身の把握です。つまり、現在自分はどのような体力(からだの能力)を有しているのかを、正確に理解することです。いくら道筋があっていても体力がなければ目標地点や中継地点までも進めないかもしれません。
「元入金」とは株式会社で言う資本金のようなものです。事業の元手となる資金と考えればよいですが、資本金と違い事業による税引き後に残ったお金(純利益)も「元入金」として計上されます。つまりこの「資本の部」とは、誰に縛られることなく自由に使えるお金とも言え、自己資本という言い方もします。一方で「資本の部」の上に位置する「負債の部」は他人から借りたお金なので他人資本とも言います。他人資本よりも自己資本が大きければ大きいほど体力がある状態となるのです。それを「自己資本比率」で『自己資本比率=「資本の部」÷総資本×100』※総資本(資産の部)=「負債の部」+「資本の部」となり、ここで体型判定を行ってみます。自己資本比率は60%以上が理想と言われているため次のような基準になります。