導入院長インタビュー


仲介会社の提案だけでは見えなかったリスク、プロの助言で未来を切り拓く

松戸常盤平いいだ整形外科 運動器リハビリテーションクリニック
飯田毅博院長インタビュー

クリニック開業には「事業継承(M&A)」と「ゼロからの新規開業」という2つの道があります。整形外科の分野で開業を果たした飯田毅博院⻑は、「M&Aで継承する以外に道はない」との考えを変えて、自らの理想を叶えるために新規開業を選択。その過程では、信頼できる「開業コンサルタント」の助言が大きな決め手となりました。

本記事では、「整形外科クリニック 開業」「新規開業と事業継承(M&A)の選択」「開業コンサルタントは必要か?」の観点から、開業検討中の医師に役立つ実体験をQ&A形式で詳しく紹介します。

開業を決意したきっかけ

Q. 開業を考え始めたきっかけは何でしょうか?

整形外科の勤務医として働いていた頃、独立を意識し始めました。ちょうどその時期に大手のM&A仲介業者から高収益な事業継承案件が紹介されていて、『この条件なら継承による開業もアリかもしれない』と考え始めたのがきっかけです。

事業継承への検討と不安

Q. 事業継承にはどのような不安や課題がありましたか?

継承によるクリニック開業では、既存の患者さんが院⻑交代で離れてしまうのではないかという不安がありました。さらに、前院⻑のやり方を踏襲する必要があるため、自分の診療スタイルを貫けるのかどうかも心配でした。スタッフも前体制に慣れているため、新しい方針に馴染んでもらえるのか不安でした。

Q. 仲介会社から提示された事業継承案件については、どのような説明を受けていましたか?

仲介会社のエージェントからは、候補となる医療法人の企業概要書を渡されて何度も説明を受けました。その企業概要書には専門的な用語も多かったのですが、一通り目を通して「経営は順調そうだ」という印象を持っていましたね。

実際、継承案件の動機は院⻑先生のアーリーリタイアとのことで、開業10年未満のまだ新しいクリニックでしたから、建物も綺麗ですし設備も十分使える状態とのことでした。また、半径1.5キロ圏内に整形外科を標榜するクリニックが5件あり、競合は多そうだとも感じましたが、直近の収支を見る限り特に問題はなさそうだとも説明を受けました。

そして仲介会社からは「高収益の案件で、5年以内にペイできますよ」とも言われました。対応自体はとても丁寧で、売り手の院⻑先生との面談もセッティングしてもらい、しっかりサポートしてくれました。

開業コンサルタントに依頼した理由

Q. 開業支援でニューハンプシャーMCに相談したきっかけを教えてください。

開業に際してM&Aによるクリニック継承を検討していることを、ともに医師である父と兄に相談したところ、二人ともその話には大反対でした。仲介会社から提示された情報だけで安易に判断するのはリスクが高いから、買い手側に立ってアドバイスしてくれる専門家に意見を聞いたほうがいい――と兄から強く勧められたんです。

そして兄が紹介してくれたのが、ニューハンプシャーMC代表の柴田雄一さんでした。実は兄自身が、親族からクリニックを継承する際に柴田さんのサポートを受けています。また継承後も兄のクリニックの経営顧問として携わっていると聞いていました。

当時の私はそれでも「M&Aで継承する以外に道はない」と強く思っていました。しかし、兄の強い勧めもあり、一度柴田さんに相談してみることにしました。実は面談の前に柴田さんの著書は読んでいたこともあって、直接お話を伺えることには、大きな期待を抱いて臨みましたね。

Q.柴田さんに初めて会った時の印象は?

正直、最初は見た目のインパクトが強くて驚きました(笑)。私がそれまで抱いていた「コンサルタント」のイメージとは、いい意味でかなり
違っていたんです。でも、実際にお話してみるととても落ち着いた雰囲気で、しっかりこちらの話も聞いてくださり、私の疑問に対して的確に
かつわかりやすく答えていただきました。安心して相談できました。

専門家との比較と気づき

Q. 新規開業と事業継承(M&A)を比較して、どのような気づきがありましたか?

新規開業は全てをゼロから始められる分、クリニック名や場所選びなど自分の裁量で決められる範囲がとても広いと感じました。一方で事業継承の場合は、既存の枠組みがある安心感はありますが、その分自由度は限られるとも思います。いわば、安心感を取るか自由度を取るかの違いですね。

Q. 専門家に相談して良かったと感じるのは、どんな点でしょうか?

やはり、第三者のプロに任せて正解だったと思います。医師は医療のプロですが、経営に関しては素人ですから、もし変な業者に引っかかってしまうとお金を吸い上げられて終わり…というリスクもあります。

その点、柴田さん率いるニューハンプシャーMCは非常に親身に、かつビジネスライクにきっちりと対応してくださったので、全面的に信頼を置くことができました。クリニックの場所探し、資金調達のための融資交渉、契約などの法律関係…自分一人では限界がある部分も、トータルでサポートを受けられましたし、正直、開業コンサルタントがいなければ何もできなかったと思います。開業の準備から開業後の経営まで、例えば医療機器の購入一つとっても相談に乗ってもらえるので、本当に助かっています。

新規開業を選択した理由

Q. 最終的に新規開業を選択された決め手は何だったのでしょうか?

実は当初、妻は既存クリニックの継承による独立のほうが安心だと考えており、私自身も「新規開業では患者さんが来てくれるか分からない」と不安だったため、開業後の見通しが立てやすい継承一択で考えていました。

しかし、柴田さんは私と妻に対して、仲介会社から渡されていた企業概要書の内容に加え、その継承案件を買収した場合に買い手側の観点から、想定されるメリット・デメリットを非常に丁寧に説明してくださいました。その説明を聞くうちに、今まで説明された内容はメリットばかりが強調されていると感じ始めました。

仲介会社からも説明は受けてはいたのかもしれませんが、やはりこちらはその分野においては素人同然ですから理解したつもりで、実のところは重要な点が理解できていませんでした。

さらに柴田さんは、新規開業と継承の選択においてはあくまで中立な立ち位置で、判断材料を増やすためにと、同規模のクリニックを新規開業した事例を示し、全国のクリニックや医療法人の平均収益データや診療圏調査の結果なども見せてくれました。

そうした比較材料を提示してもらったことで、継承と新規それぞれのシミュレーションを総合的に検討することができたんです。最終的には、継承と新規のどちらを選んでも失敗する可能性は低いと判断できましたし、何より「自分でゼロから好きにやりたい」という思いが次第に強くなりました。ちょうどその頃、条件の良い物件にも巡り会えたこともあって、私は新規開業を選択しました。

Q. 新規開業には、どのようなメリットがあると感じていますか?

やはり一番は、自分の好きなようにできることだと思います。検討していた継承案件のクリニックでは他の診療科目も標榜していましたから、それらも引き続き診ていかなければならない可能性がありました。しかし新規開業であれば、整形外科だけに自分の専門を絞って勝負できます。

開業後の手ごたえと継続支援

Q.開業後のクリニックの経営状況はいかがでしょうか?

おかげさまで、開業から数ヶ月で黒字化を達成し、患者さんの数は順調に増えて1日200名以上の患者さんが来院してくださっています。現在はスタッフも充実した体制で診療に当たれています。開業後も兄と同様に柴田さんが当院の顧問コンサルタントになっていただいており、経営面の不安も今はほとんどありません。ちなみに、理学療法士は開業当初1名でしたが、今では10名体制になりました。

結果はわかりませんが、もし事業継承をしていたならば、今ほどの経営成績は残せなかったと思っていて、妻とも新規開業を選んで本当に良かったと話しています。

Q. 当初の計画と比べて、数値や運営面でギャップを感じる点はありましたか?

物価高騰のあおりを受けて内装工事の費用が当初の見込みより高くなってしまった点は想定外でした。また開業後の数値についてはおおきなギャップはなく立ち上がりは順調にいけたと思います。
運用面については労務管理が大変だと聞いて心配していましたが、幸いスタッフ一人ひとりが皆本当に頑張って仕事をしてくれていて、心から感謝しています。

Q.開業後の経営面で、柴田さんからはどのようなサポートを受けていますか?

開業後も、柴田さんには経営面で幅広くサポートしていただいています。例えば、Google広告やMEO対策といったWebでの集患施策、それから税務面でのアドバイスまで、あらゆることを助けてもらっています。

開業を目指す医師へ

開業は人生における大きな決断

開業の一番の魅力は、クリニックの場所や名前、診療のやり方まで自分の思い通りに決められることで、生活面でも資金面でも自由度が高い点だと思います。

それに、開業医は勤務医と違って、頑張った分だけ収入を増やすこともできますし、逆に仕事が大変だと感じれば自分の裁量で働き方を調整することもできます。もちろん、開業は人生における大きな決断です。

しかし、私自身、信頼できるプロに相談したことで自分の選択肢が広がり、本当に納得のいく道を選ぶことができました。同じように悩んでいる方も、ぜひ一度、開業コンサルタントのような専門家に相談してみることをお勧めします。

編集後記

今回のインタビューから、M&Aによるクリニックの事業継承と新規開業、それぞれのメリット‧デメリットが浮き彫りになりました。事業継承は既に患者さんが付いている安心感や、経営の予測が立てやすいといった利点がある一方で、前院⻑のやり方やスタッフとの調整など受け継ぐがゆえの難しさも伴います。

逆に新規開業はゼロからのスタートで不確実性は当然継承よりも上回ります。ただ一方では、自分の理想どおりにクリニックを形作れる自由度の高さが魅力です。

飯田先生は、仲介会社から提供された情報だけでは見えなかったリスクを、信頼できる開業コンサルタント(柴田さん)の客観的な助言によって見極め、最終的に新規開業という道を選択されました。

その結果、開業後は早期に患者さんの数が安定し、スタッフ体制の強化も順調に進んで、クリニック経営が軌道に乗っています。M&Aによる事業継承であれ新規開業であれ、専門家の的確なサポートを得ることでリスクを最小限に抑え、自分の目指す医療を実現する近道になるはずです。これから開業を検討している先生方も、ぜひ信頼できるプロと二人三脚で準備を進めながら、ご自身にとってベストな開業の形を見極めていただければと思います。

CONTACT

お気軽にご相談ください